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止上六所大権現社(1) 

今回は霧島市国分にある止上六所大権現社です。
祭神は六坐。
次の通りです。

彦火々出見尊
豊玉姫命
瓊々杵尊
木花咲耶姫命
葺不合尊
玉依姫命

現在は「止上神社」の名で知られています。
明確な創建年代は不明ですが、三国名勝図会に創建に関する伝説が次のように書かれています。


景行天皇の時代、日向の隼人が反乱を起こしたため天皇自ら征伐へ向かった。
その時に止上六所権現の霊神が大鷹として現れ天皇を擁護した。
するとたちまち隼人を平定することができた。
それによりその神霊を崇め祀った。

昔は今の社殿の東にある尾群山という山の頂上に鎮座していた。
当時は社殿もなく、ただ山を御神体としてその頂上を拝んでいた。
その後今の場所に社殿を造立し、神霊を勧請した。
それからすでに千年が経つという。
尾群山に石祠が六ヶ所にある。
これは止上神が鎮座していた場所の跡で、この石祠の事を六所権現というのである。

当社に中古まで「王の御幸」という祭式があった。
毎年一月七日に神輿を神社へ守り下り、二十二日に行廟で様々なお供えを献じ、祭礼を行う。
昔、隼人の霊の祟りにより人々に害が及んだ。
この祭式はその祟りを鎮めるために設けられた大祭である。
慶長の中頃までは毎年行われていたが、その後廃止されたようである。

行廟は四か所ある。
重久村に樟の森が二か所。
その一つは「弓張の叢」という。もう一つは枯れて今は水田となっている。
そして弟子丸村にあり、小止上神社という。
最後の一か所は小川村新町にあり「幸田の叢」という。
この四か所を行廟といい伝え、旧跡は今もある。


このような内容です。
読みやすくするため一部訳の順番を変えています。

「王の御幸」と呼ばれた祭りについては現在もよくわかっていません。
四か所あった行廟の跡も今はどこにあるかわかりません。
ただ、この神社には五十五枚の神面が残されています。
最古の物は明応六年(1496)。
これらのお面が「王の御幸」に関する数少ない遺物であると言われています。



それでは現在の止上六所権現を見ていきましょう。

DSC_2925.jpg
止上神社全景。
背後にそびえるのが尾群山。
現在は「尾牟礼山」と書かれます。


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鳥居が立っていた跡があります。

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ここにもあります。


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田ノ神舞が奉納される前日に訪れたため、鳥居の横に旗が立っていました。


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「止上神社」


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鳥居をくぐると、鳥居が迎えてくれます。
寛延二年(1749)建立。

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「止上六所大権現」
かつての鳥居の一部であったと思われます。

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「覚遍」
この方はこの神社にとっての超重要人物です。

先ほどの三国名勝図会の記事の中に尾群山の山頂に石祠が六つあるとありました。
どうやらそれらはいつの間にか失われてしまったようなのです。
そこで山頂に改めて石祠を建立した人物がいました。
それがこの覚遍という僧です。

その石祠は現在も山頂にあり、享保十八年(1733)に建立したと刻まれているようです。
残っているのは一基のみですが、もしかすると当時はちゃんと六ヶ所あったのかもしれません。

また、現存している神面のいくつかにも覚遍の名が書かれている物があります。
しかしもう一人の違う「覚遍」ではないかと言われています。

止上神社に関わる二人の「覚遍」。
どちらも明確な詳細はわかりません。


DSC_2855.jpg

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鳥居の左手に石造物三基。
明治以降の物です。


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鳥居をくぐると社があります。
この二社の正面にもう一社あり、合計三社。


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参道。


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振り返ると新旧二本の鳥居が。


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突き当りに石祠の残欠が置かれています。
詳細不明。


DSC_2826.jpg
手水鉢。

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もう一つ手水鉢があります。

DSC_2829_20170620220637ccd.jpg
こちらはかなり立派です。


そして社殿に到着です。
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止上神社拝殿。

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本殿。
建立時期は不明ですが、格式の高さを感じる大きな本殿です。

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鹿児島の神社建築の中でも個人的に大好きな建築物の一つです。

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社殿全景。

この社殿に関してある疑問が浮かびます。
なぜ社殿が御神体である尾牟礼山の方を向いていないのでしょうか。
三国名勝図会の絵図も現在と同じ方向に建っています。
何か考えがあってこの向きにしたのか、それとも何も考えずに社殿を建立してしまったのか。
今となってはわかりません。
もしかすると教育委員会の調査書があるかもしれません。


止上神社には見るべき物がもう一つあります。
DSC_2851.jpg
それがこれです。

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本地堂と呼ばれる建物があった場所です。
発掘調査によりここで間違いないとされたようです。

DSC_2848.jpg
石碑の字が見事です。
しかし私には下の二文字が読めません。



いつ訪れても静かで、落ち着く雰囲気に満ちています。
ただ近くを川が流れているため、夏は蚊や虫が多いです。

古い歴史を持ち、多くの神宝も残る鹿児島の隠れた名社です。
駐車スペースがあるので車でも行くことができます。
しかし道が狭いので注意してください。

「止上神社」で調べると場所がすぐにわかると思うので、今回地図は載せません。


止上神社



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category: 神社

thread: 史跡・神社・仏閣

janre: 写真

tag: 霧島市 
Posted on 2017/06/27 Tue. 22:52  edit  |  tb: 0   cm: 0  

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