FC2ブログ
08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 10

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

Posted on --/--/-- --. --:--  edit  |  tb: --  cm: -- 

正龍寺のお話 

今回は歴史小話です。
興味のある方はご覧ください。


三国名勝図会には正龍寺にまつわる、ある話が記載されています。
話にはある偉人が登場するのですが、それを見ると三国名勝図会の編纂者がこの偉人に対してかなり腹を立てていることが分かります。
今回はその話を紹介します。


それには「藤原惺窩事跡」という題がつけられています。
もうお分かりでしょう。
怒りの矛先は藤原惺窩です。

藤原惺窩像
藤原惺窩といえば豊臣秀吉や徳川家康に儒学を講じたといわれる大変有名な儒学者です。
惺窩が成し遂げたとされる重要な事跡に「四書五経に訓点をつけた」ということがあります。
どうやら三国名勝図会の編纂者はこのことが気に食わないようなのです。

記事を見ていきましょう。


「藤原惺窩は播州細川村の人である。父を為純という。冷泉家である。幼い時に相国寺に入り仏書を読んでいたのだが、志は儒学にあった。当時良い儒学の師がいなかったことを嘆き、発奮して中国の書物を読むために明に渡航しようとした。しかし船が嵐に遭い鬼界島に漂着し、志半ばで帰ってきた。『聖人に常師なし。是を六経に求ん』と言い、儒教に帰依し四書六経を講じた。国中がそれに靡然として従ったのである。(中略)諸家人物志、惺窩集行状、先哲叢談などに詳しく書かれている。」


藤原惺窩によって儒教が日本中に広まったと書かれています。
ここから徐々に怒りが混じってきます。


「鬼海島とは硫黄島である。按ずるに惺窩は硫黄島から山川港に来て正龍寺を訪れ、そこに留まった。そこで桂庵禅師が書いた家法和点一巻と文之和尚が修飾した四書朱註訓点を借りて写し取り、京へ持ち帰り、それを剽竊し自分の手柄とし、四書朱註に訓点をつけたのである。お上の国の儒学者たちはこの事実を知らない。それゆえに惺窩の事跡を書いた本にはこの事が抜けているのである。」


怒っていますね。
「自分の手柄とし(原文は『己が力とし』)」というところに特に強い怒りを感じます。
惺窩は桂庵禅師と文之和尚がつけた訓点を盗用したというのが編纂者の主張です。


「みんなこの事実を知らないから、事の始末を記録する。」
ということでこの後12ページにわたって藤原惺窩訓点盗用疑惑の説明が行われています。

説明の中には「写した」という言葉が何度も出てきます。
また節々にかなり強い口調も見られます。
一つ例を挙げると


「(惺窩は)四書に訓点を施し、朱子学を広めたいと思っていた。しかし朱子学を精究していなければ訓点をつけることができない。だから彼は明に遊学しようとしていたのである。惺窩が唐へ渡る志を止め、山川からそのまま帰ったのは(桂庵・文之の)朱註訓点本及び家法和点を写したことでその志を遂げたからであろう。そうでなければ山川からさらに明へ渡海すべきなのだ。」


「渡海すべきだ!」
という表現が印象的です。
このように12ページ中に怒りが満ちているのです。

怒りをぶちまけた編纂者は最後に次のように述べています。


「惺窩以降の儒学者、朱註訓点を用いる天下のすべての人に桂庵、文之の恩恵を受けていない者はいない。これらの人はみな桂庵らに感謝すべきである。」


これで気が済んだようで、この後はわずかに3行。
伊敷に桂庵のお墓があるという記述で話は終わります。

廃仏により文書などが失われているため、この話がどこまで真実なのか今となっては分かりません。
事実なのは、桂庵の流れを受けた「薩南学派」が藤原惺窩の流れを受けた「林家」の勢力に押され衰退したということです。


三国名勝図会でここまで怒りに満ちた記述が珍しかったので紹介しました。
今の正龍寺の状況を見て一番驚くのは他ならぬ藤原惺窩なのかもしれません。

category: 寺院跡

thread: 史跡・神社・仏閣

janre: 写真

tag: 指宿市 
Posted on 2017/04/21 Fri. 20:01  edit  |  tb: 0   cm: 0  

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://nicool0813.blog.fc2.com/tb.php/226-d64f443a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。