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正田院跡 

今回は姶良市山田町にある宝珠山勝高寺正田院跡です。
大乗院末真言宗。
本尊薬師如来。
開山権律師賢重。



まず三国名勝図会にある絵図を載せます。
宝珠山勝高寺正田院
これが在りし日の正田院の姿です。
本堂などの他に「二王門」、「白山」、「観音」とあります。

今回はこれらの位置を推測しながら紹介していきます。


DSC_3125.jpg
納屋の横に正田院跡へと続く道の入口があります。

DSC_3124.jpg
初めから路面の状況がよくありません。


DSC_3173_2017031113441238c.jpg
ここに山門があったのではないかと私は考えます。
旧姶良町の調査書によるともう少し上った場所が「山門跡か」となっていますが、そこでは三国名勝図会にある絵図と地形的に合いません。
正直なところこの場所も微妙ですが、絵図の仁王門の横にある建物の位置からして、ここと判断してよいかと思います。


DSC_3127_2017031113421941f.jpg
路面状況は最悪。

DSC_3129_2017031113422602c.jpg
道の中央には謎の溝があります。


DSC_3132_20170311134230c6a.jpg
木の枝が散らばり始めました。

DSC_3172.jpg
石と枝だけではありません。
この道はぬかるんでいます。


DSC_3170_201703111343594e8.jpg
風景は美しいですが、足元はぬかるみを増します。

DSC_3169_20170311134411746.jpg
落ちている石を見ると、瓦の破片のような物が大量に混じっています。
このあたりに何かしらの建造物があったことは間違いなさそうです。


DSC_3168_20170311134413858.jpg
ついに倒木が現れました。
くぐって先に進みます。


DSC_3135_2017031113424495c.jpg
坂を上りきると分かりづらいですが三叉路が現れます。
正面方向は茂っていて進むことができなそうなので右に進みます。


DSC_3138_20170311134233a16.jpg
ここだけ綺麗な道です。


DSC_3140.jpg
ついに道らしい道がなくなりました。
よく見ると写真の真ん中に道があります。


DSC_3161_20170311134400270.jpg
左にも道があります。

DSC_3142.jpg
定期的に人の手が加わっていそうな空間に出ました。
先ほどの三叉路正面方向の藪の先はここに繫がっているようです。

おそらく旧姶良町の調査書はここを「山門跡か」としています。
分からなくもないですが、ここだと仁王門横の建物の説明がつきません。
この周辺に建物を建てるスペースが無いのです。


DSC_3143_2017031113423828f.jpg
少し進むと、倒木や草でよくわかりませんが比較的広い空間があります。
このあたりが「観音」、「白山」の場所ではないでしょうか。
この二つについて三国名勝図会には次のようにあります。


「観音堂:境内寺屋の西北三十歩許にあり。中尊聖観音。侍立不動明王、毘沙門天。此聖観音は利生著顕の霊像なるゆゑ、昔時松齢公師を出水より発し玉ふ時、当寺七世の住僧快誉法印に命ぜられて、軍旅の事を斉祈あり。既にして凱旋し玉ひ、元和三年丁巳十一月五日、堂舎を葺理(しゅうり)し、再興せられて酬愿し玉ふとなり」

「白山権現庿:観音堂左方の後、数歩の上に崇む。慶長十五年庚戌二月、松齢公建立し玉へるとぞ。」


これらがこの場所にあったかはわかりませんが、このあたりにあったことは間違いないようです。



DSC_3147_2017031113424776b.jpg
道なき道を進みます。
長く人の手が加わっていないようで、酷い状況となっています。


情報によるとこのあたりに墓地があり、そこに墓塔が並んでいたといいます。
DSC_3146.jpg
しかし何もありません。

DSC_3144.jpg
何気なく左を見ると、花瓶が目に入りました。
確かにここには墓地があったのです。


何かないかと探していると、何かが足に当たりました。
DSC_3148_20170311134246a81.jpg
非常にわかりににくいですが、写真中央に石造物があります。
常夜灯の残欠です。

DSC_3149.jpg
そのすぐ横に墓石の台座部分が埋もれています。
どうやら後方の斜面が崩れ、墓石群が埋没してしまったようです。


そういう状況の中、一基だけ私の前に姿を見せてくれた墓塔がありました。
DSC_3152_201703111342591cf.jpg
「法印義海霊~」
文化十二年(1815)寂。
この方が私の前に姿を見せてくれた唯一の正田院関係者です。


DSC_3155.jpg
墓地全景。
跡形もありません。

この墓地の数十メートル先に正田院伽藍跡である広い空間があると聞いていました。
しかしこれが私の行く手を阻みます。
DSC_3160_20170311134215688.jpg
大きな杉の倒木です。
写真で見るよりもずっと大きな杉の木が倒れかけていました。
無理をすれば行けたでしょうが、今回は断念しました。
次回二人以上で訪れた時に先へ進もうと思います。




以上が正田院跡です。
ほぼ「消滅」と言っていいでしょう。

地元の方に聞いてこの場所がわかりました。
偶然話を伺った方が正田院伽藍跡の畑で作物を育てていた方で、当時は耕すたびに茶碗や湯呑のかけらが出てきたそうです。
さらに眺めも非常によく、桜島まで見えたといいます。
その話を聞いた際、三国名勝図会の次の記述を思い出しました。


「境地高濶にして、東西北の三方は岡巒相連り、其極る所を知らず。轉眄すれば遙に帖佐の松原浦、渺茫の中、蒼翠を碧海に浮べて、丹青の巧を奪ひ、桜島其海心に屹立し、宛も盆山を瑠璃盤上置が如く。風帆の往来胡蝶の戯れに似たり。かゝる眺望佳勝絶塵の浮場なれば、此邑に遊ぶもの、必ずこゝに於て吟情を述といへり」


景色が良すぎて詩を詠みたくなるというほど美しい場所であったそうで、数十年前までその風景を眺めることができたのです。
しかし今は先ほど紹介したような状況で、その場所に到達することすら困難になりました。

正田院跡にはタケノコ採りやイノシシ狩りをする人がたまに入っていくくらいで、それ以外は誰も行かないそうです。
このまま自然に還っていくのでしょう。
しかしその眺望を後世に伝えるためにもどうにかしたいですね。


正田院跡へ行くのはおすすめできません。
足元があまりに悪く、さらにイノシシ、猿、マムシが出るため危険です。


廃寺後も畑を耕す人やお墓参りへ向かう人で賑わった場所も、ついに跡形もなくなってしまいました。
荒れすぎていて明確な伽藍配置もわからず、推測しかできません。
そのような状況の中にわずかな形跡を見ることができたとき、少しホッとしました。
「正田院はまだ完全に消えたわけではないんだ」と。

この場所を綺麗にしても何の意味もないかもしれません。
しかし、将来的にどうにかしたいと思うのは無駄でしょうか。



いつもご覧いただきありがとうございます。
いろいろと考えさせられる寺院跡でした。

一応地図を載せますが、行く際は自己責任でお願いします。



正田院跡



DSC_3166_20170311134409d2e.jpg

category: 寺院跡

thread: 史跡・神社・仏閣

janre: 写真

tag: 姶良市 
Posted on 2017/03/11 Sat. 22:40  edit  |  tb: 0   cm: 2  

コメント

ついに正田院跡見つけたんですね!!
ここは『三国名勝図会』に絵図がある由緒ある寺跡なのに整備されていないんですね
山道入り口から終始荒れてるのは悲しい気持ちですが、宅地開発はされそうにない場所ですし、このまま埋もれてしまうのでしょうね。

畑を耕していたら出てきた茶碗かけら等気になりますね。
今年中には時間見つけて訪れてみようと思います。

ヤギ使い@鹿児島 #bKi.7WmM | URL
2017/03/13 22:04 * edit *

Re: ヤギ使いさん

ようやく見つけました!

周辺の方々も山に入ることはほとんどないようで、誰かが手を上げない限りこのまま整備されることなく埋もれてしまうと思います。
伽藍跡までの道だけでも整備したいですよね。

畑からの出土品は「当時は歴史に興味がなかったから全て捨ててしまった」そうです。
夏は非常に危険な場所だと思うので、気温が下がってから行くことを強く勧めます!

rinzo #- | URL
2017/03/13 23:10 * edit *

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